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静岡県が多頭飼育の犬の救出へ

今年の7月に新聞やテレビ各局で犬猫の多頭飼育問題が大きく報じられました。その一つのケースが、静岡県における犬の多頭飼育(90頭)です。

「静岡県小山町。農道の行き止まりに看板が見えてきた。「子犬をもらってください!連絡先、×××まで」看板の周りは古タイヤ、古布団、家電製品が山積みだ。トタン板の扉を開けると、3匹の犬が飛び出してきた。悪臭が鼻をつく。犬が詰め込まれたカゴや箱の山。ざっと60匹いた。皮膚病にかかっている犬もいる。地面は糞尿と抜け毛でドロドロだ。ピーク時には約120匹が飼われていたそうだ。「ここはとりわけ劣悪。犬だけでなく。糞尿汚染による感染症が河川を通じて広がらないか心配です」同行した獣医師は話した。隣接する御殿場市の飼い主の男性(72)は、「20年前から捨て犬を飼っている。無責任な飼い主が多いから引き取っている」。放し飼いの犬は水田をあらし、子どもを追いかける。上水道の水源も近くにある。」(朝日新聞:2008年7月17日朝刊より)

飼い主は、はじめは善意で犬を保護していたものの、次第に数が増え、本人も高齢となり世話をしれきなくなって、このような状態に陥ったもののようです。

一般に、多頭飼育が崩壊した場合、衰弱した犬猫は行政に引き取られて殺処分されるのが通例です。しかし、静岡県はこのケースが当初は善意の保護であったことから、生かす方向で飼い主との話し合いを行い、飼い主が所有権を手放した犬から順次引き取り、新しい飼い主探しをすることになったとのことです。

また、救出した犬の治療やケア等については、県とともに地元小山町、県獣医師会、動物愛護ボランティア、県動物保護協会などの協力を得て、救護が行われることになっています。

多頭飼育崩壊の対策事例としては画期的と言えます。

<静岡県のホームページ>

○「小山町の犬多頭飼育の飼い主探しを始めます」
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-510/seiei/oyamainu2.html

○「小山町の犬多頭飼育の飼い主募集など」
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-510/seiei/oyamainu1.html

・取組みについて
・譲渡犬リスト(ただいま作成中です。)
・進捗状況

県では、一時預かりの協力や保護活動への寄付の募集をしていますので、皆さまの善意をお寄せください。

また、今後は、ここまでひどくならないうちに、飼育の指導や改善ができるような制度を設けるように、要望しましょう。

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