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クローン動物の食用化について、意見募集中

クローン動物の食用化についての意見募集が行われています。
パブリックコメント期間:2009年3月12日~4月10日まで
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_shinkaihatu_clone_210312.html

日本では、クローン動物の是非を審議する部署は、食品安全委員会のみであり、
しかもこの食品安全委員会は、既に「環境、倫理、道徳、社会経済等に係る審議は
行わない」と決めているのだそうです。

クローン動物は遺伝子異常が発生して、死産と出生直後の死亡率は30%におよび
ます。加えて幼いうちの死亡率もきわめて高く、大人になるまでに大半が死亡します。
生き延びた場合でも身体に様々な不具合を生じている可能性があります。
このような動物の大量生産を図り、食用にしようということに大きな無理があります。

そもそも、人が食べて安全であれば、動物の遺伝子を操作してどのような体に作り
変えてもいいのでしょうか?
クローン動物の是非について、国民が意見を言えるのは、単に食品安全についての
観点だけということでいいのでしょうか?

70ページにも及ぶ専門家しか読まないような「評価書」についてのパブリックコメント
ですが、形式にとらわれず、多くの人が自由に意見を出していきたいものです。

生命の尊厳をふみにじる生命操作を食い止めることができるのは、一人一人の声
しかありません。

ちなみに、ヨーロッパでは大多数の人々が動物クローンに反対しているとのことです。

-------------- 以 下----------------

大多数のEU市民 倫理上の理由で動物クローンを拒否―EU世論調査
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/news/08101001.htm
農業情報研究所(WAPIC) 08.10.10

欧州委員会が10月9日、EU市民の大多数が倫理上の理由で動物クローニング
に疑念を持ち、大半がクローン動物の食料生産への利用を拒んでいることを
明らかにする世論調査に基づく研究結果を発表した。
この世論調査は今年7月、無作為に選ばれたEU27ヵ国の2万5000人に対する
インタビューを通じて行われた。

 その結果、ほとんどのEU市民(80%)が、遺伝子組み換えではなく、既存の
動物の”コピー”を作ることというクローニングの意味を正確に理解していることが
分かった。動物クローニングという言葉を聞いたことがないという市民は7%に
過ぎなかった。

 そして、大多数の市民が動物クローンに対する倫理上の疑問を抱いている。
具体的には、

 動物クローニングの自然に対する長期的影響は分かっていないとする人が84%、

 人間のクローニングにつながる可能性があるとする人が77%、

 倫理的に間違っているとする人が61%、

 家畜集団の遺伝的多様性を損なう恐れがあるとする人が63%にのぼっている。

 ただ、動物に不必要な苦痛を与える恐れがあるという点では意見が割れた。
この意見に同意する人は41%、同意しない人は43%だったという。

 インタビューを受けた人の4分の3が倫理上の理由で動物クローニングを拒み、
動物クローニングが動物を”生あるもの”ではなく”商品”として扱う危険がある
と感じている。
(略)

 食料生産のための動物クローニングが許された場合に誰が利益を受けるか
については、86%の人が食品産業と答え、農業者と消費者が受ける利益に
ついては懐疑的である。
食品価格引き下げで消費者の利益になると考える人は10人に3人、
ヨーロッパの食品産業の競争力強化のために食料生産への動物クローニング
の利用が必要とする人も16%にすぎない。

 クローン動物の食品としての安全性に関しては科学者が提供する情報が最も
信頼できるとする人が一番多い(25%)。しかし、信頼する情報源が食べても
安全と言っても、大多数のEU市民はクローン動物の肉やミルクを購入しそうにない。
20%の人が買いそうもないと思い、43%の人が買わないと答えている。
 クローン動物の子に由来する食品が店に出る場合には、83%の人が特別の
表示が必要と言っている。 

---------以上---------------

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