クローン動物食品に市民の7割が反対
この3月に、内閣府の食品安全委員会が、クローンの牛や豚を食べても「安全」
とする審議結果を公開し、これについて一般からの意見を募集しました。
当会では「クローン動物の食用化について反対の意見」を提出し、ホームページに
掲載していますが、この程、異例なほど多くの反対意見が寄せられたため、
食品安全委員会で再審議が行われることになったと報じられました。
ALIVE「クローン動物の食用化に反対する意見」
http://www.alive-net.net/bio-ethics/clone-pubkome.html
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「気持ち悪い」7割批判的 クローン食品に市民意見
内閣府、調査会で再審議へ
5月27日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090527-00000110-san-pol
「クローン食品を安全と結論づけた内閣府の食品安全委員会に、1カ月で172件
の意見が一般から寄せられ、そのうち7割程度が「気持ち悪い」など批判的意見
だったことが26日分かった。
委員会ではこうした意見に配慮して、下部組織の専門調査会で、安全性評価に
ついて再審議を行うことを検討している。
クローンをめぐっては、消費者の違和感や宗教・倫理面から反対論が根強く、
委員会の審議も影響を受けた形になった。(略)」
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この報道によると、食品安全委員会では年間平均100件以上の食品・薬品
の安全性を審議・評価し、一般からの意見を募集しているそうですが、通常、
意見は数件程度しか寄せられないとのことです。
従来、意見が少ないのは、意見がないからではなく、意見募集の存在自体を
知らされていないからだと思われます。
このような意見募集は各省庁のホームページに掲載されますが、毎日チェック
しているわけでもない一般市民は、募集それ自体を知ることもありません。
さすがにクローン動物の食品化というような重要な問題については、消費者団体
も動物福祉団体も見過ごすことができなかったのでしょう。
クローン動物の食用化は、単に食の「安全」の観点ばかりでなく、生命倫理や
動物福祉、生物多様性の損失、科学研究の暴走の歯止めといった幅広い視野から、
より多くの時間をかけ、広く一般からの意見を聞き、十分に審議するべきです。
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