口蹄疫と家畜の大量殺処分について
宮崎県での口蹄疫の発生によって、数十万頭もの牛と豚が殺処分されると
報じられています。
<農林水産省>
口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針
今回の口蹄疫に限らず、これまでにもBSE、鳥インフルエンザなどの感染症が
発生する度に大量の家畜が殺処分されています。
またその対策のために巨額の公費(税金)が投じられています。
宮崎県は日本有数の集約的畜産県であることからも知れるように、感染症は
過密・多頭飼育とは切ってもきれない関係にあります。
畜産動物の過密・多頭飼育は、当然のことながら経済効率を上げるために
行われているものですが、消費者がひたすら安い畜産物を求めて大量に消費
するという社会構造が、ひいてはこのような感染症を引き起こしているということも
言えるかもしれません。
一見、安価な畜産物を供給するためには、大規模な環境破壊や感染症の脅威が
あり、かつ多額な畜産補助金が投入されていることを考えると、「安い畜産物」は
本当は安い物ではありません。
飼育施設も飼育頭数も減らし家畜のウェルフェアを向上させない限り、また新たな
感染症が発生することは過去の歴史から見ても明らかです。
OIEが家畜の病気と福祉は密接な関係があると宣言した根拠もここにあります。
私たちも、畜産動物たちの悲鳴に耳を傾け、このような機会にこそ、集約畜産の
在り方や「安い」畜産物の大量生産・大量消費の構造を見直す必要があるでしょう。
納税者として、消費者として、有権者として、私たちにできることはたくさんあります。
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