放牧もできず、飼料もひっ迫の畜産
依然として福島原発から放射性物質が飛散し続け、農作物ばかりでなく<
場所によっては牛の飼料となる牧草からも基準値を超えた放射性物質が
検出されています。
そのため、農林水産省は、牛は牛舎に閉じ込めておくこと(日本ではこれが通常!)、
地元の牧草を与えないことに加えて、牛の放牧も当面行わないように、
東北・関東の都県に通知しています。
もともと日本の畜産は、飼料のほとんどを海外に依存していますが、地震と津波
で港湾が大破し、海外からの供給が滞っているため、飼料そのものがひっ迫し、
多くの家畜が餓死したり、飢えている状況が続いています。
生態系を無視したいびつな日本の畜産、あまりに家畜に過酷な負担をかける
飼育方法等の問題点を、原点に立ち帰って考え直すべき時がきています。
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【千葉産の牧草、基準超す放射性物質 八街・市原で採取】
朝日新聞 2011年4月28日
http://www.asahi.com/national/update/0428/TKY201104280716.html?ref=rss
千葉県は28日、八街(やちまた)市と市原市で21日に採取した牧草から、
国が設定した基準を超える放射性物質が検出されたと発表した。
県は県全域の生産者に、牛に県内で育てた牧草を与えたり放牧をしたり
しないよう自粛を要請するとしている。(略)
今後、同県内の畜産家は、県産の牧草を避け、輸入牧草などを使うことが
求められる。
【原発:葉の牧草から基準上回る放射性物質検出】
ANNニュース 2011年4月28日
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210428060.html
千葉県は、市原市などで採取した牧草から国の暫定許容値を上回る放射性
物質が検出されたことを明らかにしました。
千葉県によると、21日に市原市、八街市で乳牛や肉牛などの飼料となる牧草
を検査したところ、国が定めた暫定許容値を上回る放射性物質が検出された
ということです。暫定許容値は、牛乳や牛肉が食品衛生法の暫定規制値を超え
ないようにするために牧草などの飼料に設定されたものです。
千葉県は、先月23日から酪農家に対して、牛に牧草を与えることや放牧を自粛
するように要請していて、引き続き徹底を図ることにしています。
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計画的避難地域の畜産動物に与える飼料について、農水省のQ&Aでは、
計画的避難が完了すれば計画的避難区域への立入が禁止される可能性があり、
家畜の飼養はできなくなる可能性があること、
家畜は戸外に出さず、
換気を抑え、
畜舎に流入する外気を最小限にとどめること、
飼料は原発事故前に収穫した牧草等を用い、
飲用水はわき水や流水の使用を避け、貯水槽に蓋をしたものを与えるなどして、
家畜の放射性物質の摂取を抑える管理をするように求めています。
飼料作物についての考え方:
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/c_minasama_2.html
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/c_minasama_3.html
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