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鳥獣保護事業の基本指針:パブコメ結果

鳥獣保護事業の基本指針が最終決定されました。
7月13日の午前中に、中央環境審議会野生生物部会(平成23年度)第2回鳥獣
保護管理小委員会で、パブリックコメントの結果などが発表され、
次いで、同日の午後からの中央環境審議会野生生物部会において、中央環境
審議会会長から環境大臣に対して、答申がなされ、最終決定となりました。

指針の全文は、以下のサイトの「添付資料」に掲載。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14011

パブリックコメントの結果について
期間:H23.5.12~6.10まで
提出者(のべ人数) 4242
意見数       4544
取りまとめた意見数  194

このうち、最も意見が多かった事項

<鳥獣の捕獲等の許可に関する事項> 1842件
・とらばさみ、くくりわなの許可捕獲での使用禁止
・ツキノワグマ生息地では箱わなに脱出口を設ける
・錯誤捕獲に関する情報収集を行う

<その他特別の事由の場合>  2400件
・「猿まわし等伝統的な鳥獣技芸への利用」を追加し、捕獲の許可対象者に
正当な伝統を証明できる鳥獣技芸者を加える

(これは、前回の時も大量に出ていた意見で、猿回しを「伝統的鳥獣技芸」と
して認めさせようと言うねらいのようです。

これほど多様で多くの意見が寄せられたにも関わらず、結局は単なる語句の
修正が数カ所行われただけで、意見を出すのがばかばかしくなるような結果でした。

なお、今国会で「地方分権一括法」が改正される見込みです。
地方分権に関わる様々な法律を、この一つの法律で一気に改正してしまう法案で、
これによって、鳥獣保護法は以下のように「改正(改悪)」される予定です。

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鳥獣保護法においては以下の改正がなされる見込み
○鳥獣保護事業計画において定める事項の変更
○鳥獣保護事業計画の公表について、義務規定から努力規定に変更
 (公表しないで、身内だけでこっそりやるということか?)
○特定鳥獣保護管理計画において定める事項の変更
○特定鳥獣保護管理計画を定める際の利害関係人の意見聴取について
 公聴会開催の義務規定を削除
○指定猟法禁止区域、休猟区の標識の寸法の条例化
○都道府県が鳥獣保護区を指定する際の公聴会開催を、義務規定から例示化
○その他

鳥獣保護事業計画を公開しなくてもよいということは、一般の市民からさらに
鳥獣(野生動物)問題を遠ざけることになるのでは、と懸念されます。

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