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八幡平クマ牧場:秋田県知事の記者会見

昨日、秋田県知事の記者会見が行われましたが、その大半はクマ牧場
問題についての内容でした。

秋田県知事会見動画
平成24年5月7日(月) 【定例記者会見】
http://webtv.pref.akita.jp/kaiken/24/index.html

上記動画では報道各社が質問しており、話題がとんでいますが、途中
からまたクマ牧場についての質問が続いていますので、どうぞお聞き下さい。

県知事の会見の主な内容は、
「クマ牧場が作られた当時は、特定動物の飼育に関して何の規制もない
時代であり、まず県が特定動物の飼育規制の条例を定めた。
その後に国の法律(動愛法)で規制が定められたのが6年前のことで
ルールが後追いをしている。
それに基づいて飼養許可をしてきたという点では、法律の問題でもある。
事故については許可を出した行政にも責任がある。
しかし、許可を出さないとその動物はどうなるのかという悩ましい
問題が出て来る。何とかクマを生かしてやりたいので、譲渡先を探し
ているが、なかなか難しいものがある。
現在は、緊急避難として、県が餌を与えたり、管理を手伝っている。」
とのことです。

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記者会見を報じた記事


知事、県責任認める
http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000001205080002
2012年05月08日 朝日新聞

秋田八幡平クマ牧場(鹿角市)の女性飼育員2人がヒグマに襲われ、
死亡した事故をめぐり、佐竹敬久知事は7日の記者会見で、県の責任
を認めた。牧場に残るクマ27頭の飼育をめぐり、えさをやる経営者
の長崎貞之進さん(68)=大館市=に同行する職員を同日から派遣
し始めたほか、公費によるえさ代の一部負担を検討する方針を明らか
にした。

佐竹知事は会見で、記者の質問で責任を問われ、「全く責任がなかった
ことにはならない」「許認可庁として責任がなかったとは言えない」
などと述べた。職員の牧場派遣は長崎さんの作業の安全を確保するなど
の目的で、当面の対応として1日おきのえさやりに3人を送り込むという。

県はそのほか、現在、残飯を供給している大館、鹿角両市内の施設の
うち近く打ち切る意向の施設もあるため、県が犬や猫を保護した際の
えさ代として確保している約20万円を充てることを検討する考えも
明らかにした。

えさについては県外の個人と団体計4者から寄付の申し出があり、
2日までに3者から穀物などの飼料計305キロが届けられたという。
今月1日から現地調査に訪れた動物保護団体「地球生物会議ALIVE」
(東京)からは約千キロのドッグフードが寄せられたという。

県は日本動物園水族館協会(東京)を窓口にするなどし、全国に引き取り
を打診する準備も進めている。

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<行政による一時的管理に関して>

現在、八幡平クマ牧場では、従業員が死亡したため、経営者が一人で
エサ集めやエサやりを行っており、安全面からも危険な状態であるため、
秋田県が一時的にクマの飼養保管の援助を行っています。

なお、一般論として、管理能力の失われた事業者に代わって行政が、
一時的に管理するという事態はあり得えます。

たとえば、産業廃棄物の不法投棄などの事件では、産廃業者が倒産して
いたりした場合、その撤去を行政が行います(代執行)。
銀行などが破綻したとき、緊急避難として国が債権を肩代わりすること
もあります。原発事故では、本来なら東電がすべての後始末を行う
べきですが、それができないので、国が多額の費用を肩代わりして
やっています。
これは結局、住民の税金で行われることですので、このような事態に
ならないように、法律で、事業の破たん時の対策がなければ許可を出す
べきではない、ということになります。

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