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2012年6月の記事

動物実験について再度訴えを!

動物実験の法制度改善を求めるネットワークの呼びかけを、以下、転載いたします。
皆様のご協力をお願いいたします。

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- 動物実験について再度訴えを! -

5月31日に民主党の動物愛護対策WTが開かれ、民主党は党の動物愛護法改正案
骨子に、動物実験については一切含めないという方針を決定してしまいました。

つまり動物実験については現行法に一切手を加えず、また一時検討されていた
動物実験別法化案についても一旦白紙に戻すとのことです。

結果として途中まで動物愛護法改正の中で検討されていた、実験動物施設の
届出制も、また3Rの義務化さえも取り下げるという格好になりました。

動物実験については様々な意見が出され、議論が十分でないため、動物愛護法
改正の成立を優先させる、というのが表向きの理由でした。

会議は田島座長の骨子説明だけで、出席議員からは全く意見が出されず、また
傍聴席からの発言も認められず、30分であっけなく終了しました。
(本件の顛末については、6/4発売(6/11号)の雑誌AERAに
”医学界が潰した動物愛護法改正案”として記事が掲載されています。)

前回改正(05年)の自民党政権下でさえ、3Rの改正だけは行われたのに対し、
実験動物の福祉に比較的理解があったはずの民主党が、業界の意向を受けた
党内議員のクレームにより、こうもやすやすと改正案を撤回し、動物実験に
ついて全てを取り下げるという事態には、驚き呆れる他にありません。

そもそも施設の届出制は、動物実験をやめろというものでも、実質的な規制を
求めるものでもなく、まずは全く闇の中にある動物実験の基本的な実態を把握
しようという制度です。

3Rの強化・義務化にいたっては、動物実験を行う際の基本理念に過ぎず、
業界側が反発するようないわれは全くないものです。

これだけの改正案にも反対してくる業界側の意図は、動物実験を完全に自分たちの
聖域にしよう、市民には一切情報を漏らさないようにしようという、時代錯誤で
自分勝手な態度と言わざるを得ません。

このような一般常識も社会的責任の自覚も欠けている方々が、動物は大切に扱うので
心配いりません、と主張されても果たして信用できるでしょうか。

もし今回のような、今までにもなく良い条件の下でも法改正が通らなければ、
これが既成事実化され、今後何年経っても法改正はできなくなってしまうでしょう。

そうなれば年間1000万匹~2000万匹といわれる実験動物の実態は闇のままで、
動物実験に対して実態把握も行政監督もできない状態が続くことになります。

また先進諸国の法律や、OIEの規約をはじめとする動物実験の国際基準が相次いで
改正される中、日本は国際社会から孤立し、野蛮で文明度の低い国家との評価を
受けるでしょう。

我々はこの決定に到底納得がいくものではなく、今後あらゆるメディアを通じて
この問題を取り上げ、訴えていくつもりです。

皆様におかれましては、関係議員に対して、至急、以下の訴えをしていただき
ますよう、お願い申し上げます。

<要望例、関係議員の連絡先等>
http://homepage2.nifty.com/jikken-houseido/giin-ichiran-2.htm

動物実験の法制度改善を求めるネットワーク
http://homepage2.nifty.com/jikken-houseido/

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AERA記事『医学界が潰した動物愛護法改正案』

 既に報道もされている通り、5月31日の民主党動物愛護対策
ワーキングチームで、最終的な動物愛護法改正案骨子が公開され、
その場で了承となりました。

結論として、与党案には実験動物に係わる改正は一切含まれませんでした。
別法化案についても採用されないかわりに、動物実験の3Rの義務化も含めた
全てが入らないことになりました。

この信じがたい展開の経緯については、本日発売の「AERA」6.11号に
「削除された『幻の改正案』~医師出身議員らが動物愛護法改正に抵抗」
という記事が出ましたので、皆様、是非ごらんください。

一連の顛末について、非常に正確に書かれた秀逸な記事だと思います。
「AERA」のサイトの「Nice!ボタン」で記事に対する評価を表明
することができるので、皆様、ぜひワンクリックをお願いします。
http://www.aera-net.jp/latest/

また、多くのマスメディアが無視を決め込むこの問題について、
記事を掲載した「AERA」の姿勢を支持する意見も是非お送りください。
http://www.aera-net.jp/latest/#form

ちなみに、この記事で紹介されている医系議員の発言の数々です。

「正気の沙汰とは思えない。国家戦略を阻害し、雇用も減る。
テロリストが施設の構造などの情報を手にすれば大変なことになる。」
(吉田統彦衆院議員)

「実験動物の関係者からは、懸念が出ている。別法で対処して
ほしいという声も理解してくれないか」
(岡本充功衆院議員)

「『動物実験』と『実験動物』とを明確に分けることはできない。
実験が止まってしまう。」
(足立信也衆院議員)

また、動物愛護法改正については、医師などを中心とした
病院経営者向けの月刊誌『集中』でもとりあげられました。
医師の世界でも、潮流が変わっていくことを願ってやみません。

「動物愛護法改正で『欧州並み』規制なるか」(6月1日発売号)
http://medical-confidential.com/confidential/2012/06/post-410.html

動物愛護法改正案は、今週、WTの親会である環境部門会議での合意を経たのち、
政策調査会役員会の了承を経て法案登録の手続きに入ります。
また、条文化をすすめながら与野党協議にも入っていくとのことです。

実験動物については、国会会期末をにらんたスケジュールにも
押された形となりましたが、与党内の「抵抗勢力」が強かったことが
「改正一切なし」となった何よりの原因です。

動物実験/実験動物をめぐる国際情勢を考えたときにも、
「一切改正なし」とすることが先進国としてどれだけ恥ずかしいか、
ぜひ皆様からも伝えてください。

【民主党】

櫻井 充 
医師 党政調会長代理(参議院・宮城県)
Mail:mitsuru_sakurai@sangiin.go.jp
Fax:03-6551-0512

三井辨雄 
薬剤師 党政調会長代理(衆議院・北海道2区)
Mail(送信フォーム):https://secure.vanguard.ne.jp/mitsui/ssl/contact.html
Fax:03-3508-3705

吉田統彦 
医師 科学技術・イノベーション推進特別委員会理事(衆議院・比例東海ブロック)
Mail:info@yoshitsune-kai.jp
Fax:03-3508-3425

岡本充功 
医師 厚生労働委員会筆頭理事(衆議院・愛知9区)
Mail(送信フォーム):http://www.mitsunori.net/index.html 一番下にご意見箱
Fax:03-3508-3622

足立信也 
医師(参議院・大分県)
Mail:info@adachishinya.com
Fax:03-6551-0613

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