« 2017年4月 | トップページ

2017年5月の記事

学習指導要領等パブコメ結果のご案内と意見閲覧調査結果のご報告

3月10日付けのブログにて、
「学校教育法施行規則の一部を改正する省令案並びに幼稚園教育要領案、
小学校学習指導要領案及び中学校学習指導要領案」に対する意見募集の
ご案内をさせていただきました。

ご多忙のところ意見を作成・送付くださいました皆様、そして広報等に
ご協力頂きました個人、団体の皆様に心より御礼申し上げます。

本日はパブリックコメント結果公表のご案内と、当会による意見閲覧結果の
ご報告をさせていただきます。


◎学校教育法施行規則の一部を改正する省令案並びに幼稚園教育要領案、小学校学習指導要領案及び中学校学習指導要領案に対する意見公募手続き(パブリックコメント)の結果について

◎意見公募手続きの結果について

上記資料の17頁目(17/24)に、動物の飼育に関する意見内容と文部科学省の
回答が掲載されていますので、以下、その箇所を抜粋して転載いたします。

*********************************

意見番号75  該当箇所 生活
「体験活動、特に動物飼育活動の充実を期待する。動物飼育の意義・効果を明確に記載すべき。」

意見番号76 該当箇所 生活
「動物の飼育に当たっては、動物愛護の観点を踏まえ、種類ごとに異なる正しい飼育方法を踏まえ、責任を持って最後まで飼育することを明記すべき。」

回答
「動物飼育については、児童が様々な直接体験をする機会が減少している中で大変重要な活動であり、今後とも充実を図ってまいります。なお、動物飼育に当たっては、どのような動物を飼育するかについての留意点や、獣医師等の専門家の協力が必要であることなど、具体的な実施上の留意点等を十分周知いたします。」

********************************* 転載終わり

どのような動物を飼育するかについての留意点、具体的な実施上の留意点等を
周知するとしていますが、皆様よくご存知のように、学校における動物飼育は
改善困難な課題が多々あります。
抜本的な解決方法がないまま多くの犠牲が生じて今に至っていることを鑑みず、
文部科学省は、
「児童が様々な直接体験をする機会が減少している中で大変重要な活動であり、
今後とも充実を図ってまいります。」
という回答をつけていますが、これでよいのでしょうか。

当会は、今回の意見公募手続き(パブリックコメント)の結果一覧に掲載された
「体験活動、特に動物飼育活動の充実を期待する。」という意見がでどの程度
寄せられたのか、
動物飼育を取り巻く問題や不都合な真実は掲載していないのではないか等の
疑問点を検証するために文部科学省に出向き、閲覧用ファイル13冊分、
(合計11,210件)の意見を閲覧してまいりました。

Photo_2


撮影による記録ができず、閲覧しながらの選別・書き取り作業により抽出した
意見のうち、趣旨が明確なものを掲載いたしましたので、以下ご確認ください。
(当然ながら、送付者のメールアドレスその他の個人情報はファイル内の
閲覧用紙に転記されておりませんのでご安心ください。)


◆学校における動物の飼育・活用を問題視する意見 →複数

・学校での動物飼育はやめるべき。
・学校飼育の廃止を。
・「動物を飼ったり」の文字を削除。
・飼育の根拠となる記述は削除。
・「資料を活用したりして」の記述は削除すべきではない。
・「動物」を「生き物」などに修正し哺乳類の飼育はおこなわないこと、
 虫や水生の生き物など幅広く考えること。
・哺乳類、鳥類の飼育はやめるべき、どうしても飼うなら魚や昆虫などを
 終生適切に飼育すべき。
・幼稚園、小学校における動物飼育の必要は全くない。
・あんな飼い方でいいなら自分も簡単に飼えるのだと錯覚する、
 学校での飼育は動物を不幸にし、また、教員の負担を増やすことに
 なるので今後はやめてください。
・教員は児童生徒の管理や世話で一杯一杯、飼育動物の世話や
 それを委ねる児童の管理までさせるのは仕事のキャパシティを
 超えてもいる。ペット業界、獣医師会の利益供与に動物を使わないで。
・哺乳類や鳥類の飼育は避け、昆虫や魚を飼育する場合には
 責任を持って最後まで適正な飼育をするよう明記してほしい。
・学校の教員は忙しい、可愛い赤ちゃんの時だけ世話をして1年
 経ったら手放す、病気になったらレンタルを中止して返却。気軽に
 飼育し、手放すことをしている、飼育しないでほしい。    など。


◆学校における動物の飼育・活用を求める意見 → 2件

・第3 指導計画の作成と内容の取扱いに、「各学校で動物を
適切に飼育し、それらを道徳の授業に活用することが大切である。
専門家である獣医師の支援指導を受けられる条件を整える必要がある。

・愛着をもって哺乳類や鳥類を飼育し必要とされる喜びを感じ....(長文略)
飼育を授業計画に組み込み、年間を通して計画的に実施することで得られる。



・・・意見総数からみると動物に関する意見が占める割合は多くありませんが、
寄せられた意見のなかでは、やはり、
「学校での動物飼育はやめるべき」「学校飼育の廃止を」といった意見が多く、
獣医師の支援指導では改善困難な問題、学校の動物に関わった方からの
真摯な意見、切実な声が届いていました。

「責任を持って最後まで飼育することを明記すべき」という趣旨の意見はなく、
動物飼育活動の充実を求める意見はわずか2件でした。

当会の閲覧調査により、文部科学省(初等中等教育局教育課程課)は、
多く寄せられていた動物飼育に係る論点に対する意見を一切掲載せず、
動物の終生飼育を求める意見が多かったかのようにとりまとめたうえ
回答を付けていたことが明らかになりました。

昨年、当会が文部科学省に送付した幼稚園教育要領、小学校学習指導要領
に関する要望もさることながら、今回のパブコメで届いていた多数派の意見は
真摯に受け止めていただき、とくに教科別の解説書・指導資料集のなかに、
哺乳類、鳥類の飼育を推奨する記述を入れないよう引き続き求めていきます。

(平成29年4月10日に開催された「小学校教材検討委員会(第3回)」にて
配布された資料(年間指導計画例)によると、生き物(bird,rabbit,)の単語が
登場していますが、動物の活用が教科横断的に広がっていかないよう、
他の教科についても注視していく必要があります。)

|

文部科学省へ意見を! ~ 4/12文部科学省へ要望書を提出 動物性集合胚規制緩和問題 ~

現在、文部科学省が、ヒトの細胞を混ぜ合わせた動物胚(注)(動物の胚にiPS細胞など人の細胞を注入したもの=動物性集合胚と呼ばれる)の規制緩和を検討しています。生まれてくる動物はヒトの細胞が動物の全身に混じり合ったものとなり、意図しない生物が生み出される可能性があります。特にiPSなどの多能性幹細胞から人の脳細胞が生じ、例えば動物が人の思考を持ってしまうことなどが懸念されています(内閣府の議論では、『ブタと話せるという、それこそお伽の世界のようなことができるほうがいいのかもしれない』(議事録よりそのまま)などという委員の意見も出ています)。現在は文部科学省の指針(特定胚の取扱いに関する指針)で、動物個体を生み出すことなどは禁止されていますが、動物個体の作成まで認めるなどの規制緩和案が検討されています(既に内閣府ではその方向を容認する見解が出ています)。

規制緩和が目指す目的の一つは、ヒト移植用の臓器を動物、特にブタの体内で作成しようというもので、そのために、動物(ブタ)の体内でできる臓器を丸ごと人の細胞で置き換えてしまおうというものです。規制が緩和されれば、多くの動物たちが生命を改変され、健康上のリスクを負って生まれ、臓器を採取されたり薬物を投与されたりして、殺されることになります。

文部科学省は近く、総合的な検討のとりまとめを行い、指針改正案のパブリックコメントを行うとしています。ぜひ皆さんからも当会の要望書(以下)を参考にして、今のうちに文部科学省へ意見を届けてください。


〇意見提出先
文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室
(郵便)〒100-8959 東京都千代田区霞が関三丁目2番2号
(E-mail)ethics@mext.go.jp

(注)胚:受精卵が細胞分裂で胎児になる過程のごく初期の段階の個体

※本件についてさらに詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。

|

臓器工場、異種移植、異種間キメラ動物・・・生命操作はどこまで許されるか?~ 動物性集合胚の規制緩和を問う ~

ALIVE会報119号の記事(一部修正)、「臓器工場、異種移植、異種間キメラ動物・・生命操作はどこまで許されるか? ~動物性集合胚の規制緩和を問う~」をHPに掲載しましたので、ご覧ください。

|

« 2017年4月 | トップページ