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2017年11月の記事

文部科学省が近く指針改正案をまとめる見込み 文部科学省と関係委員へ意見を!!~ 動物性集合胚規制緩和問題 ~

ALIVE会報119号でもお知らせしましたが、文部科学省が動物性集合胚(ヒトの細胞を混ぜ合わせた動物胚)の取扱いの規制緩和(動物胎内への移植、個体産生を容認等)を検討しており、最近の報道によれば、(総合科学技術会議と合わせて約6年の検討の末に)いよいよ年内に報告書をまとめ、今年度中に指針改正案を示すと言われています。


文部科学省は8月と10月に特定胚等研究専門委員会(科学技術・学術審議会 生命倫理・安全部会)で「動物性集合胚の取扱いに係る総合的検討について(たたき台)」という取りまとめ資料を示していますが、科学的根拠がほとんどない結論ありきの内容になっています。


これを受けて当会から文部科学省へ、今年4月に続き2通目の要望書を提出しました。

関連する部会や委員会のこれまでの議論では、委員からは特段の反対意見や実質的な議論もなく、文部科学省が提示する論点を何となく追認してきているという状況です。

また、現在進行中の特定胚等研究専門委員会では、数名程度しかいない倫理を専門とする委員のうち、1名が7回連続で欠席、1名が5回連続で欠席のまま回が進むなど、倫理的な議論がおざなりにされています。

規制が緩和されれば、動物実験における生命操作の領域が広がり、未知の生物や健康上のリスクを負った生物がこれまでにも増して多く生み出されることが予想されます。また今後、動物を使った他の生命操作にも扉を開き、歯止めが効かなくなる恐れがあります。これを阻止するため、ぜひ文部科学省と関係委員へ皆様の意見を届けてください。また、お知り合いへも本件を広めてください。

例文や意見提出先、当会の要望書など詳細は以下をご覧ください。

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<イベント案内>「ノネコ」と呼ばれる猫を知っていますか?~島に生きる猫を考えるシンポジウム~(2017年12月10日開催)

2017年12月10日(日)、
「ノネコ」に関するシンポジウム(主催:神奈川県動物愛護協会)が
開催されますのでご案内いたします。

「ノネコ」と呼ばれる猫を知っていますか?
~島に生きる猫を考えるシンポジウム~

当会でも取り上げてきた「ノイヌ・ノネコ」の問題。
今、改めてこの「ノネコ」問題について考えてる機会として、是非ご参加ください。


以下、シンポジウム詳細です。


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 「ノネコ」と呼ばれる猫を知っていますか?
  ~島に生きる猫を考えるシンポジウム~
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皆様は、ノネコやノイヌと呼ばれ野生動物に区分されている犬猫がいることをご存知でしょうか?
そして、今、特に「ノネコ」が島嶼で希少種などの野生鳥獣を捕食することが問題視されています。

人が持ち込んだ猫たち、島嶼を生息地・繁殖地にする鳥や動物たち。
どうすれば、双方のいのちを守ることができるのか、
一緒に考えていただきたいと思います。

〈 日時 〉
2017年12月10日(日)13:00~17:00

〈 場所 〉
神奈川大学横浜キャンパス1号館308会議室
(横浜市神奈川区六角橋3-27-1)

〈 参加費 〉
1,000円(資料代含・会場にて)

〈 お申込み 〉
以下の方法にて事前予約制(定員100名)
◎お申し込みフォーム https://ssl.form-mailer.jp/fms/16269cfa523115
◎FAX:045-433-1742

〈 講演 〉
岡 奈理子(おか なりこ)先生(山階鳥類研究所フェロー) /13:00~14:00
演題:伊豆諸島・御蔵島の待ったなしのネコ問題
-東アジア固有海鳥オオミズナギドリの世界最大繁殖地の現状とネコ対策-

==岡 奈理子先生プロフィール==
神奈川県出身、翠嵐高校、早稲田大学卒。水産学博士(北海道大学)。
1970年代半ばに財団法人 山階鳥類研究所に就職。鳥学研究室長、上席研究員、
評議員などを経て、この9月に定年退職し、山階鳥類研究所フェロー。
東京農大客員教授、日本生態系協会評議員、千葉県審議会委員ほか。
*ネコに関わる動機*人生の過半を日本や豪州の海鳥研究に捧げてきた。
その一つ伊豆諸島の御蔵島に持ち込まれ激増したノネコが頂点捕食者に躍り出て、島の生態系の根幹が変わった。
日本最大の海鳥繁殖地での悪夢…役場が行うTNRでは海鳥の減少はとまらず、往年の5%にまで海鳥数が激減した。
ノネコを島から出す音頭を取り、里親を募って自身で1冬にノネコ12匹を本土に搬出し、
現在は役場が予算を組んで東京都獣医師会と搬出し続けるが、ネコの増殖がはるかに勝る。
現状が続けば日本の島の自然に明日はないだろう、悩む日々が続いている。
動物愛護の方々とご一緒に考える好機になればと願う。


小島 望(こじま のぞむ)先生(川口短期大学教授) /14:00~15:00
演題:ヤンバルクイナ保護とノネコ問題

==小島 望先生プロフィール==
(準備中)


〈 パネルディスカッション 〉
15:10~17:00
司会:山田佐代子(神奈川県動物愛護協会会長)
岡奈理子先生(山階鳥類研究所フェロー) / 小島望先生(川口短期大学教授)
高橋満彦先生(富山大学准教授) / 黒澤泰氏(神奈川県動物愛護協会理事)
東郷佳朗先生(神奈川大学准教授) / 後藤一平氏(衆議院事務局職員)

〈 主催 〉
公益財団法人 神奈川県動物愛護協会

〈 後援 〉
神奈川大学法学研究所

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動物実験計画書の日米比較 ~日本の動物実験計画書の問題点が明らかに~

このたびNPO法人地球生物会議(ALIVE)では、動物実験計画書の日米比較を行い、改善への提言を含む調査結果を旧国立帝大7大学へ送付しました。今後、他の関係機関へも働きかけていく予定です。

本件について共同通信さんに記事を配信していただきましたので、ご覧ください。
動物実験で「苦痛に配慮を」 愛護団体、日本の大学に改善求め

「動物実験計画書」の事前審査制度は、動物実験について(海外のような法規制がなく)自主管理方式をとっている日本において、自主管理の要になっている制度で、動物福祉を担保する数少ない仕組みの一つです。

本調査結果で、量、質ともに日本の計画書フォームはアメリカの計画書フォームに比べて圧倒的に劣っていることが明らかになりました。

具体的には、

●ページ数・項目数が遥かに少ない。中でも動物福祉に関する項目の割合が極めて低い。

●痛み、苦痛、不快の排除、軽減が軽視されている。

●獣医師の役割や獣医学的ケアが軽視されている。

などです。

本調査結果は日本動物実験代替法学会第30回大会(11/23~25)でポスター発表予定です。

日本動物実験代替法学会  第30回大会

詳細については学会発表後にあらためて掲載いたします。

本調査結果が日本の動物実験計画審査の質を向上させ、研究現場における実験動物福祉に対する意識の向上につながることを期待します。

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